【ZERBINO銀座店Blog】
みなさまこんにちは。
ZERBINO銀座店の田上です。
今回ご紹介する生地はこちらです。
HARDY AMIES ハーディー エイミス
WOOL 79% POLYESTER 21%
生地品番 YMHA-021
Custom Line ￥53,900
Kuxury Line ￥108,900
ハーディーエイミスは20世紀初頭のロンドンに生まれました。
オートクチュールの仕事をしていた母親の影響もあり、
学校卒業後は婦人服店での仕事を始めました。
その後、デザイナーとしてエリザベス女王のドレスも担当し、
1950年代には紳士服も手掛ける様になったそうです。
今回ご紹介している生地ですが、クラシックな定番柄である
バーズアイです。
一見、ごく普通のバーズアイなのですが、見た目よりも中身に
拘った作りになっています。
春夏物でバーズアイ？ ここがミソなのです！
一般的に生地（毛織物）は双糸か単糸を使い織られる事が
多いと思います（3PLYや4PLYなんてのもありますが）。
3PLYも4PLYも単糸と単糸を2本撚り合わせた双糸から出来ています。
ところが、この生地に使われている糸はそれらとはちょっと違う
種類の糸なのです。
みなさまは『精紡交撚糸』という糸をご存知でしょうか。
サイロスパンとも呼ばれています。
今から30年以上前、IWC（国際羊毛事務局）という組織が
開発した紡績方法とそれにより作られる糸です。
IWCは現在、ザ・ウールマーク・カンパニーと改称しています。
SuperOOO’ｓ なんていう基準の管理もしています。
では、精紡交撚糸とはいったいどんな糸なのでしょう？
簡単に言うと単糸を作る段階で双糸にしてしまう紡績方法で
作られた糸になります。
紡績のコストを減らす事も目的の一つだったみたいです。
わかりずらいので、紡績方法まで覚える必要はないと思いますが
メリットとしては、細くても強い糸を作ることが出来ます。
それにより、薄さが求められる春夏ものでも、綾織での
表現が可能となります。
柄のバリエーションが増えるということですね。
今回の生地はポリエステルが21％使われていますが
ポリエステルフィラメントにウールを巻き付けている
構造になっています。
紡績方法は上記と同様です。
糸番手としては、通常の双糸換算で100番手ほどでしょうか。
なので、バーズアイでもこの薄さをキープ出来ています。
また、ドライな触感とシワになりにくい事も特徴です。
最近はあまり見かけなくなったタイプの生地ですが、
春夏シーズンのバーズアイもいいですよ。
ZERBINO銀座店 田上
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