【ZERBINO銀座店Blog】
みなさまこんにちは。
ZERBINO銀座店の田上です。
本日ご紹介する生地はこちらです。
WEST WIND ウエストウィンド
WOOL 40% POLYESTER40% MOHAIR20%
MADE IN ENGLAND
生地品番 861-4001
Custom Line ¥67,100(税込み)
Luxury Line ¥125,400(税込み)
また懐かしい生地が出てきましたよ。
『ウエストウィンド』とはメーカーやマーチャントの名前ではなく
とある品質のコレクション名なのです。
裏話になりますのであまり詳しくは書けませんが、
かなり前になりますが、日本国内でも指折りの毛織物メーカーの中に
イギリスやイタリアのメーカーで作った生地を取り扱う部門がありまして
その部門が国内市場向けに展開していたコレクションの一つが
この『ウエストウィンド』です。
この生地、かなり薄いのですが、糸も特殊なものを使っていまして
その糸がこの織物の肝になっています。
日本国内の紡績会社で生産されたその糸をイギリスに持ち込んで
イギリスのメーカーに織らせていたものです。
私が見てきたなかでも薄さに関しては屈指の品質ですが
これほど薄い生地を作るには相当細い糸を使わなければなりません。
基本的に糸は細くなればなるほど強度が落ちていくので
その強度も確保しなければなりません。
この辺りにからくりがあるのですが、
おそらく当時(30年以上前)は海外の紡績会社では作ることが
出来なかったのでしょう。
今回ご紹介している生地はミディアムグレイの無地のスーツ用生地ですが
同じ糸を使ったジャケットのコレクションもありました。
スーツ用はフラットな織物ですが、ジャケット用はフラットなものもあれば
先日、同じ銀座店の小椋がブログで書いていた楊柳織の手法を用いて
更に清涼感を増したものもありました。
雑誌の表紙もスケスケです
当時は真夏でもジャケットを着ることが当たり前の時代でしたので、
少しでも薄く、少しでも軽く、少しでも涼しくを追求した結果生まれた
品質なんですね。
超ドライな触感もたまりません。
とにかく透けるのでパンツも総裏をお勧めします。
貴重な生地ですので是非ご覧になってください。
ZERBINO銀座店 田上