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ロロピアーナから、素晴らしい服地の贈り物。

【ZERBINO銀座店 石井ブログ】

 

ZERBINO銀座店の石井です。

皆様夏はいかがお過ごしでしょうか。

 

私はきたる「服の冬」へ思いを馳せ、

夏季休業の中ゆったりこのブログを執筆しています。

 

これを書くにあたり、ロロのサイトを拝見しましたが、

Loro PianaのWEBはいつだって詩的です。

それは原文なのか、それとも訳者の小気味良いリズム感からなのか…。

乾ききったWEBの砂漠に於いて、

文字のオアシスをそこに見出すことができます。

 

まぁこんなところにしておいて、

素晴らしい生地のご紹介。

 

 

PECORA NERA

 

 

【Fabric】Loro Piana

NO.47-4212

 

 

【Order Suits】

Custom Line ¥63,000+tax(¥69,300)

Luxury Line ¥102,000+tax(¥112,200)

 

Loro Piana(ロロピアーナ)から

PECORA NERAシリーズのご紹介。

カラーはこの一色のみです。

ロロ・ピアーナ曰く、このコレクションは

ベビーカシミヤと並び世界最高の品質と洗練性とのこと。

 

PECORA→羊

NERA→黒

 

つまり黒い羊のシリーズです。

このシリーズは無染色で、

羊本来の色味を生かしたコレクション。

ブラックシープとは言いますが

羊毛は、羊の見た目の色が全てではなく、

 

表面に隠れた下の毛の色も影響します。

大抵黒の品種は、刈り取ってみると

茶色も多くみられますので、

ブラックシープであっても無染色でこのような色使いが

できるのでしょう。

 

 

石井家でも黒猫(とっても可愛い)

を飼っているのですが、

ブラッシングして抜けた毛は

黒というより茶色とクリーム色が混じった色をしています。

 

 

ロロ・ピアーナ

 

 

元々羊は黒かったのですが、

白の染色性に目を付け、白い毛の子が生まれやすいよう

品種改良されていき、

やがて優勢遺伝子になった白い羊が

大半となっていきました。

 

そんな中生まれた黒い品種は

いわば忌み子のように捉えられていたのですが、

 

自然が生み出す、染色では表せない価値を見出したロロピアーナが、

ブリーダーとタッグを組み、ブラックシープの飼育量を

20年もかけて復活させていきました。

 

 

ロロ・ピアーナ ベコラネラ

 

 

こちらの生地は秋冬らしい程よい重さがありつつも、

柔らかく、触り心地の良い表面。

触るだけで、最高なジャケットができる未来を感じさせます。

 

ブラウンとクリームがかったホワイトが混ざり合った

ベージュですが、

他のベージュでは感じえない優しい色味を感じます。

 

 

無染色ということは、環境負荷も非常に少ないです。

だからいいですよ。

というつもりはありませんが、

「自分が着用するものにそういった背景がある」

というのは、なんだか不思議な安心感があります。

 

 

工業的に作られたものが多い今、

忘れ去られてしまった牧歌的な「アジ」が、

私たちには新鮮に映ります。

 

 

 

ロロピアーナはいつだって非常にエレガントで、静かなる主張を持つ服地を提案してきます。

それは彼らを育てた、イタリアの風土が背景にあるからでしょう。

イタリアの自然や街並みに育てられたその感性は、

日本生まれの私たちにも当然の美しさを感じさせます。

 

 

 

この生地が入荷する前に心に決めた服地があったので

今年は個人分として作成は出来ませんが、

ぜひとも来シーズンは仕立てたい服地です。

 

残っていればよいのですが…。

 

 

こちらは全店に入荷ございます。

 

初めて入荷したシリーズです。

貴重なものですので(あと安すぎる)

のでぜひご覧になるだけでもいらっしゃってください。

 

 

以上石井でした。