Q & A

「¥41,000(¥45,100税込)~のオーダーの中身とは?」

ゼルビーノでは5万円以上、

10万円以上の仕立てやインポートブランド生地も

ご用意しておりますが、

今回は既製品と同様の予算で

お楽しみいただけるスタートプライスの

生地とその中身をご紹介させていただきます。

 

オーダーが初めての方でも、

日々のお仕事用にお考えの方も、

常時50種類程度ある生地の中から選べる

本格オーダーをお楽しみください。

 

 

Q.そのラインの生地はどんなもの?

 

A1.オーダースーツ ¥39,000(+Tax in¥42,900)の生地について

¥39000オーダースーツ

こちらの価格帯はウールに

ポリエステルを少量混紡した

耐久性、実用性に優れた生地が多く、

色柄は無地、ストライプ、

シャドーストライプと、

日々のビジネスシーンで幅広く

ご利用いただけるものが揃っております。

 

 

A2.オーダースーツ ¥49,000(Tax in ¥53,900)の生地について

¥49000オーダースーツ

こちらの価格帯はウール100%の素材が多く、

中にはインポート生地の1点物や、

Super番手の素材もございます。

¥39,000(+Tax in¥42,900)よりも色柄の幅は広がり、

チェックや無地調の凝った素材も

取り揃えておりますので、

もう1ランク上のクオリティをお楽しみいただけます。

 

※独自の仕入れを行っている関係で、常に同じ生地を在庫しているわけではなく、シーズン、年度毎に内容が変わってきます。

 

 

Q.スタートプライスって仕立てはどうなの?

A.通常のカスタムラインのグレードとなります。

ギャラリーでご紹介しているスーツの

デザインのイメージそのままとなりますので、

そちらもご覧ください。

 

Galleryはこちら

 

※アップチャージでラグジュアリーラインに変更可能です。

 

ゼルビーノで扱う生地に関しては、

バンチブックではなく

私たちがお勧めしたい生地の現物を

直接買い付けて揃えておりますので

スタートプライスだからといって

安価なグレードの仕立てになることはありません。

 

 

Q.ゼルビーノの仕立てはどうなの?

A.国内優良ファクトリーと組み、

4万円前後のオーダースーツでは

あまり付けられることのない

こだわりの仕様を詰め込みました。

低価格オーダースーツ

一部ですが、ゼルビーノが考える

上質なスーツの仕様は以下の通りです。

 

 

■AMFステッチ標準仕様

AMFステッチ

ゼルビーノでは、柔らかく立体感のある

スーツに仕上げるために、

通常オプションとなる

AMFステッチを標準としております。

 

 

■バルカポケット標準仕様

バルカポケット

こちらもステッチ同様標準仕様となります。

通常、船型ポケットといい、

胸ポケットの底部分が真っすぐに

カットされていることが多いのですが、

バルカポケットは着用したときに

胸回りがふんわりと丸みを帯びた雰囲気となり、

ウエストがより綺麗に

くびれて見えるような仕様となっております。

 

 

■天然釦標準仕様(本水牛釦、ナット釦ほか)

オーダースーツ 水牛・ナット釦無料

本水牛釦が付くスーツは高級と言われるほど、

クラシックで上品な釦です。

最近では技術の進歩で、

ポリエステル釦でも水牛風の仕上がりの

ものが多くなってきましたが、

やはり比べると雰囲気の違いが分かります。

ゼルビーノでオーダーいただくスーツには、

本水牛釦をオプションではなく

標準仕様としてオススメしております。

本水牛釦のみならず、

ナット釦やデザイン釦もご用意しております。

質と見た目どちらもお楽しみください。

 

 

■キュプラ裏地標準仕様

オーダースーツ キュプラ裏地無料

 

ポリエステルが標準となることが多いですが、

ゼルビーノは生地を厳選して

仕入れている以上は、

釦も裏地も見栄え、品質ともに

上質なものをつけようという考えから、

私たちが仕入れたキュプラ裏地は

標準とさせていただいております。

オーダーの醍醐味である、釦と裏地の選択で

今まで以上にオーダーをお楽しみください。

※バンチブックでのお取り寄せ品については有料となります。

 

 

その他にも

衿ヒゲ付き、1枚衿といった

昔ながらのこだわりの手法も取り入れた

上質な1着となっております。

 

実際に店舗で試着していただき、

その良さをご体感ください。

下見は大歓迎ですので

お気軽にお越しくださいませ。

「取り扱いブランドについて -イタリア編- 」

皆さんこんにちは。

 

国産生地の紹介に続き、

ZERBINOで取り扱いのある

インポートブランド・メーカーの

ご紹介をさせていただきます。

 

今回は以下のもののみとなりますが、

この他にも多数のブランド・メーカーの

生地が揃っておりますので

追々、ご紹介していきます。

 

 

■TALLIA DI DELFINO – タリア・ディ・デルフィノ –

タリア・デルフィノ オーダースーツ

基本価格

Custom Line ¥79,000(+tax)

Luxury Line ¥119,000(+tax)

 

イタリア・ビエラ地方にある

100年以上の歴史をもつ最高級服地メーカー

FRATELLI TALLIA DI DELFINO。

 

Ermenegild Zegna・Loro Pianaと並び

世界3大ミルと呼ばれております。

一般的な知名度は2つに比べ劣りますが

スーツ業界やイタリア本国での

評価は非常に高いです。

 

元々イタリア・ビエラ地方は

高級服地の生産で有名ですが、

中でもこのFRATELLI TALLIA DI DELFINOは

最高品質の原毛を使い

Super120~150’sの高番手

最高級生地の生産をポリシーとしています。

 

FRATELLI TALLIA DI DELFINOの生地は

艶があり、軽く滑らかな

イタリア生地の風合いを持ちながら

コシがあり、耐久性にも優れている

特徴があります。

 

一目見て分かる高級感と、

上品な色柄の合わせ方が

非常に上手いメーカーです。

 

 

 

■CARLO BARBERA – カルロ・バルベラ –

カルロ・バルベラ オーダースーツ

基本価格

Custom Line ¥79,000(+tax)

Luxury Line ¥119,000(+tax)

 

高級服地産地のイタリア・ビエラ地方にある

CARLO BARBERAは

オーストラリアの

ウールオークションで吟味し、

買い付けた、SUPERIORと呼ばれる

オーストラリア原産の羊毛を使用しています。

 

CARLO BARBERAには

糸を自社の地下倉庫で寝かせる

という独自の製法があり

この工程がただの糸を

CARLO BARBERAの繊維に変えるといわれています。

 

この繊維で織られた生地は

柔らかく滑らかな肌触りはもちろん、

深みのある色合い、そして適度な光沢を纏う

上品な仕上がりとなります。

 

CARLO BARBERAの生地は

どれも独自の製法に裏付けされた

高級感と気品のある

美しい生地となっております。

 

 

 

■GUABELLO – ガーベロ or グアベロ –

ガーベロ オーダースーツ

基本価格

Custom Line ¥74,000(+tax)

Luxury Line ¥114,000(+tax)

 

GUABELLOは

イタリア・ビエラ地方で

創業200年の歴史を持っています。

 

GUABELLOの生地は一気に織り上げず

1㎝ずつ確認しながら織り進めていく、

とことん品質にこだわった

製法により作られています。

 

ZERBINOでは、Super150’sの原毛を使用した

GUABELLO SEVENシリーズの

生地も一部ご用意しております。

 

徹底された品質はもちろん、

きめ細かく滑らかな肌ざわり、

濡れているような色気のある

艶感をお楽しみください。

 

 

 

■REDA – レダ –

レダ オーダースーツ

基本価格

Custom Line ¥64,000(+tax)

Luxury Line ¥104,000(+tax)

 

イタリア・ビエラ地方を代表する

生地メーカーの1つで、

150年の歴史を持つREDA。

 

最初に挙げられる特徴は

コストパフォーマンス高さ。

 

原毛の仕入れから色柄の開発まで、

全てを一貫して管理していることと、

いち早く高速織機を導入するという

効率化の徹底がその理由です。

 

生地にはイタリアらしい

柔らかさと滑らかなドレープ感

また、発色がよく

綺麗な光沢感があります。

 

シルキーエフェクトの

生地にはドルフィン加工という

特殊な加工が施してあり、

本来の光沢感に加え

シルクのような艶や質感が出ます。

 

 

 

■Alfredo Rodina – アルフレッド・ロディーナ –

アルフレッド・ロディーナ オーダースーツ

基本価格

Custom Line ¥54,000(+tax)

Luxury Line ¥94,000(+tax)

 

イタリア・ビエラ地方に

1961年に創業した

Alfredo Rodina。

年間300万m織り上げる

イタリアの中堅メーカーです。

 

多くのデザイナーズブランドの

別注生地を織っており

その実力は間違いないでしょう。

 

素材はエクストラファインメリノウールから

Super120’sのクオリティが中心となっております。

 

落ち着いた色づかいと

主張しすぎない柄の組み合わせ、

イタリアの風合いを感じさせる

色気のある艶感は

ベーシックな中にも上品さがあります。

 

イタリア生地の特徴である

柔らかい肌触りはもちろん

しっかりとした生地感が

あるのもAlfredo Rodinaの特徴です。

 

 

※これらのブランド・メーカーは定期的に仕入れを行って揃えている訳ではございません。その時々でオススメの色柄をチョイスしてご提案させていただいております。

※価格につきましては、独自の仕入れを行っている関係で同じブランド・メーカーでもシーズン・年度によって変動することがございます。

 

「オーダーコートについて」

【ZERBINO Column】

 

皆様こんにちは。

 

冬に差し掛かる今の時期に

人気が高まるオーダーコートについて、

ZERBINOでのお取り扱いの種類と

おすすめを少しご紹介いたします。

 

■Single Chesterfield Coat

シングルチェスターコート

チェスターフィールド伯爵が

初めて着用したのが始まりと

言われているコートで、

日本のビジネスでは

シングルのタイプが大部分を占めています。

正式な作りとしては、

前立ては比翼仕立て、

上衿はベルベット、

下衿は絹をあしらった形と言われておりますが、

現代のシングルチェスターコートは

もっとシンプルで、

比翼仕立てではなく釦打ち抜き、

衿は共地のものが通常の作りとなっております。

コートをお持ちでない方は、

まずシングルチェスターコートを

購入されることをオススメします。

 

 

■Double Chesterfield Coat

ダブルチェスターコート

シングルチェスターコートの

ダブルブレステッド版です。

スーツの時と同様に、

かなり重厚感のある雰囲気が特徴です。

丈もやや長めで

クラシック感の強い雰囲気が

お好みの方にオススメです。

 

 

■Ulstar Coat

アルスターコート

アイルランドの北東部、アルスター地方が

発祥のコートと言われるアルスターコート。

 

まずその特徴は、

ダブルチェスターコートとは違う衿型。

俗にいうアルスターカラーという

アルスターコートならではの独特な衿型です。

 

衿のみならず、ポケットもアウト&フラップ型、

袖口はターンナップといった形となっており、

雰囲気はダブルチェスターコートよりも

柔らかい印象になります。

もともと存在していたコートではありますが、

徐々にまた認知され始め、

重厚感の強いダブルチェスターコートよりも

着やすいということで人気になりつつあります。

 

 

■Stand Fall Collar Coat

ステンカラーコート

一般的にはステンカラーコート、

バルカラーコート、

バルマカーンコートといった

名で浸透しております。

恐らく皆様のイメージとしては

ベージュなどコットンやナイロン素材で

スプリングコートとしての印象が

強いのではないでしょうか?

 

ZERBINOでもコットン系の素材を使用し、

細めで軽やかなシルエットの

ステンカラーコートをオーダーされる方も多く、

スタッフも着用しております。

シンプルなデザインですが、

シンプルだからこそ

サイズ感が大切なコートです。

サイズがあまり合っていない

ステンカラーコートは、

野暮ったい印象を

周囲に与えかねません。

気軽に羽織れるステンカラーコートは

スッキリ目のシルエットのモノをお選びいただくか、

あえてクラシックにワイドシルエットで作るか、

はっきり使い分けて購入されるのがオススメです。

 

 

■ZERBINOのオーダーコートについて

ゼルビーノのオーダーコートは、

現代風の作りを基本としておりますが、

イタリアのファクトリーブランドのような

本格的でありながら

やわらかく色気のあるデザイン、

仕様となっております。

 

オーダースーツ同様、

高いのぼりや

胸、ウエストの立体感はもちろんのこと、

通常オプションとなる

AMFステッチを標準とさせていただき、

水牛ボタン、キュプラ裏地も

スーツ同様に標準としています。

 

シルエットだけでも

気に入っていただけるものとなりますが、

細かい見た目にもこだわっておりますので

長く楽しんで着ることのできる

コートになるかと思います。

 

オン、オフ別々のコートでも、

どちらでも着ることのできるコートでも、

せっかくオーダーされるのであれば

愛着の湧く素敵な1着をオーダーください。

 

 

 

「オーダースーツの種類について 」

今回のコラムはオーダースーツの種類について

 

オーダーの人気が高まってきた現代では

様々なオーダーの名称が出てきます。

 

今回はZERBINOで認識している

オーダーの違いについてお話します。

 

 

 

フルオーダーとは?

フルオーダー/ス・ミズーラ

※仮縫い含め納期は約3か月以上

 

 

文字通りサイズ合わせからデザインまで

すべてお客様に合わせて

職人たちが手縫いで作り上げるオーダー。

 

採寸

型紙作成

裁断

仮縫い

本縫い

仕上がり

 

といった流れが基本です。

日本では一人の職人がすべて

行うことが多いですが、

本場イギリス、イタリアでは

ほとんど分業制です。

 

採寸する人をフィッター、

裁断する人をカッターと呼びます。

また縫製する人も

ジャケット、パンツ、ベストで分かれ、

更に芯据え、本縫い、袖付け、釦穴など

に分かれてそれぞれ得意な職人が

仕上げることがほとんどだそうです。

歴史のある有名テーラー(サルト)こそ

こういった流れが普通というのをよく聞きます。

 

お客様に合わせると言いましたが、

それも本場では微妙に理解が違うようです。

というのも、お客様に合わせていたら

多少のクセはあるにしても

ほとんどそのお客様の希望通りになってしまい

特徴が失われてしまいます。

文化の違いもありますが、

日本人と違い、海外のテーラーは

自分のこれが一番かっこいいという

自負心がとても強いように感じます。

どこのテーラーも唯一無二の技術をもつので

そう思うのは当然ですよね。

だからこそ個性が出て、

その人にお願いしたい、

そのお店にお願いしたいという

気持ちが湧いてくるのですから。

海外のテーラーでは

お客様がそのテーラーの特徴を掴み、

自分が仕立てたいデザインのショップに行く

というのが当たり前のようです。

 

少し話は逸れましたが、

フルオーダーとは

そのテーラー(創業者)の自慢のデザインで

そのお客様にぴったりと合った洋服を

作り上げること。

 

細かく採寸し、

一人ひとり線を引きながら型を起こし、

生地の特性と体型を考えながら裁断し、

仮縫いにてmm単位で調整し、

やわらかく体に添うように仕上げたものが

本物のフルオーダーだと考えます。

 

間違われやすいですが、

仮縫いがあるからといって

フルオーダーとは限りません。

 

イージーオーダーでも仮縫いは可能です。

※当社は行っておりません。

 

ちなみにス・ミズーラは

イタリア語で「あなたに合わせて」という

フルオーダーの意味です。

 

 

 

 

イージーオーダーとは?

イージーオーダー/セミオーダー/メイドトゥメジャー

※仮縫い無しで納期は約1か月程度

 

続いて、イージーオーダーです。

3つの名前を挙げましたが、

基本はどれもイージーオーダーと呼ばれるものです。

そもそもイージーオーダーとは

現在でもHANABISHIというオーダーショップを展開する

花菱縫製さんが考案した、工場生産の

オーダーメイドシステムのことです。

 

それまではフルオーダーが

当たり前の世の中でしたが、

あまりにも高価なため

一般には中々普及しませんでした。

 

しかし、花菱縫製さんが

様々な方に仕立て服を楽しんでもらいたいと

フルオーダーを工場のラインに乗せて

生産を始めたのが始まりです。

 

1着1着時間をかけて作り上げる

フルオーダーと違い、

効率を重視したイージーオーダーは

フルオーダーよりも安価で

体にフィットするものを作れることから

瞬く間に人気が出ました。

 

現在のオーダーはほとんどイージーオーダーか

パターンオーダーといっても過言ではありません。

 

縫製の流れは

CADに寸法データを入力し自動裁断

工場の生産ラインに流して各部位縫製

立体プレス(アイロン)

仕上がり

といった流れとなります。

 

確かにフルオーダーに比べれば

一から型紙を引くわけでもなく、

手裁断するわけでもなく

プレスもある程度自動でやってくれるので

かなりの工程が省けます。

 

しかし、

だからといって簡単な訳ではありません。

オリジナルのパターンを計算して作成し、

CADに入力するのも職人さんです。

工場の生産ラインに乗っても

縫製しているのは職人さんです。

立体プレスができるといっても

細かいいせ込みなどはすべて職人さんが手がけます。

省けるものは機械に頼り、

人の手でしか再現できないものは

人の手で行う、ある種のハンドメイドです。

 

イージーオーダーでも

体型補正は可能で、

かなり細かな寸法調整も行います。

 

フルオーダーほど

手間もかかっておらず

比較的安価ですが、

同じオーダーなので

時間をかけて生地をなじませ、

手縫いのようにゆっくりと

ミシンを踏むことで

着心地の良いものが仕上がります。

 

 

 

 

パターンオーダーとは?

※納期は約2週間~

 

イージーオーダーで終わりじゃないの?

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが

パターンオーダーも有名なオーダーの一つです。

 

パターンオーダーとは、

既製品のように、

デザイナー、もしくはパタンナーが

ブランドオリジナルのデザインを起こし

型紙を作成し、オーダーに落とし込んでいくものです。

一見イージーオーダーと一緒かと思われますが、

パターンオーダーは

各ブランド一番理想の形を作り、

独自の雰囲気を崩さないように

サイズ展開も限られており

補正にも制約が多くなります。

 

お好みのブランドがあり、

そのブランドのデザインも気に入り、

型紙との相性が良ければ

比較的安価に上質なスーツを手に入れることができます。

 

デザイン重視の方はパターンオーダーが

向いているかもしれません。

まずはショップでサンプルを着てみてください。

 

 

 

 

オーダースーツのハンドメイドとマシンメイドの違い

日本では約80%の工程を手縫いで行うことで

ハンドメイドを謳うことができます。

当然ミシンを使用した縫製よりも

手間がかかり、その着心地は素晴らしいです。

しかし、イージーオーダーでも

書きましたが、ミシンを使った

マシンメイドもバカにはできません。

 

大量生産が目的で、

効率よくミシンを踏んで

縫製する工場もありますが

ミシンの踏み方も工場によります。

手縫いまでとはいかないまでも

ゆっくりとミシンを踏み

中間プレスをしっかりしながら

縫製していく工場は

着心地の柔らかさを意識しており

マシンメイドでも着心地の良いスーツを

手に入れることができます。

 

 

 

 

 

 

毛芯仕立てのメリット・デメリット

総毛芯仕立て、ハーフ毛芯仕立て

なんて用語をオーダーをお考えの方なら

聞いたことがあると思います。

 

毛芯とは?

ジャケットの表地(皆様が選ぶ服地)を

縫い合わせる際に、肩のあたりから裾まで

前身に立体感とハリを持たせるために

入れる芯地のことです。

 

基本的に芯なしのジャケットは

カジュアル以外では

あまり作られることはありません。

毛芯とは限りませんが

接着芯、ポリエステル芯、

毛麻混紡の芯など

その作りや目的によって

様々な芯が存在します。

 

その前提を踏まえて

総毛芯仕立てとは何か?

前述の「毛芯とは?」で説明したように

肩から裾にかけてジャケットの

前身全体にしっかりとした芯をいれて

縫製する贅沢な仕様となります。

 

なぜ贅沢なのか?

毛芯自体は馬の毛を使用することが

多いのですが、品質も高く、

かなり高価なものでもあります。

もちろん表地のウールとも一番相性が良く

体への馴染み方が素晴らしく、そして何より

表地の風合いを一切損なうことなく

その良さを存分に表現してくれます。

しかし、その反面

天然素材同士の組み合わせなので

生地が固定されず、湿気や

日々の着用でシワがよりやすくなります。

それすらも本来であれば“味”として

認識されているのですが、

あまりシワが好きではない人にとっては

気になるかもしれません。

基本的にイタリアのサルトも

イギリスのテーラーも総毛芯仕立てなので

シワは自然と出てきます。

イギリスの縫製でシワになりにくいのは

生地の質が違い、

肉厚でハリがあるものが多いからです。

 

 

ではハーフ毛芯仕立てはどうなのか?

ハーフ毛芯とは、

肩から胸にかけて(真ん中の釦位置程度)

毛芯を使用し、残りは接着芯を使用して

仕立てます。

 

ハーフ毛芯が安い理由は

毛芯の量が単純に半分になるのと、

接着芯で生地を固定しているので

縫製がしやすくなるからです。

 

毛芯は表地にくっついているわけではなく、

縫い止めていますので

全体を縫製する段階で若干中の毛芯も動き

熟練の職人でなければキレイに縫製できません。

しかし、接着芯で固定してしまえば

格段に縫製しやすくなります。

 

ハーフ毛芯のメリットとは?

毛芯に比べて芯が薄いので

重量的にも軽い仕上がりになります。

先ほども書きましたが、

生地を固定している分

見た目もシワがあまりよらずキレイです。

 

デメリットは?

雨や湿度の高いところでは

接着芯が剥がれぶくぶくと生地が浮いてくる

バブリングという現象が

起きることがあります。

最近の接着芯は優秀なので

ほとんど問題ありませんが、

比較的安価な既製品などは

バブリングが起きやすいかもしれません。

 

このようにどちらの仕立ても

個性があります。

これもテーラー(サルト)の

考え方次第です。

どちらが良い悪いは特にありません。

 

ネットの情報では

総毛芯仕立てじゃないとダメくらいの

書かれ方がされていることもありますが、

チャージアップで総毛芯仕立てに

できるからと言って

それがとても良く仕上がるとは限りません。

場合によってはほとんど見た目が

変わらない仕立てになることもあります。

 

結局何を求めるかというところが重要です。

デザインなのか?

仕立てなのか?

生地なのか?

価格なのか?

 

何をあなたが望むのかで

自分の理想的なショップを

見つけることができると思います。

 

 

■あとがき・・・

 

いろいろとご説明しましたが、

ここまで読んでどのオーダー屋も

あんまり変わらないのでは?

と感じた方はあながち間違いではないと思います。

 

どのオーダーも自分たち独自の

カッコいいもの、着心地がいいものを

提供したいという姿勢は

本来のテーラー(サルト)と変わりません。

 

その中であなたが何を求め、

何を優先するかでショップを選ぶことが

満足のいく買い物ができる近道だと思います。

 

いくつもテーラーを周るのも

一つの手だと思います。

ネットで見ただけでは

本当の意味であなたに合うとは限りません。

ネットはあくまで

雰囲気を知るための入口です。

 

まずは入口で自分の好みの雰囲気を知り、

実際に出向いてモノをみて、

できればサンプルも羽織ってみて、

スタッフと少しでも会話して、

ここならいいかな?と思ったところで

オーダーしてみてください。

 

ショップをのぞいて、話を聞いて

やっぱり違うなと思ったところは

スタッフも無理に作ってほしいとは

思わないはずです。

むしろ他店を紹介してくれるかもしれません。

 

意外と各お店で個性は出ているものですよ。

 

 

 

ここまでご覧いただきありがとうございます。

このコラムがオーダーを考える(知る)

きっかけになれば幸いです。

 

素敵なドレススタイルで

余裕のあるカッコいい大人であり続けましょう。

 

 

 

「取り扱いブランドについて -国産編- 」

■ENZA  基本価格¥74,000(+tax)

enza

 

かつて、

国内の有力メーカー、テーラーなどが、

日本の技で海外に勝る服地を作ろうと集まり、

作り上げたのがENZA。

ENZAは、

皆で囲んで力を合わせる意味の「円座」、

そして同じ業界で

それぞれがライバルであるにも関わらず

繋がり、

同じ志を持つことになったという意味の

「縁座」、この二つが合わさり

ENZAと名付けられました。

Super140’s,Super160’sといった

希少価値が高く、繊細な原毛から糸を紡ぎ、

縦横双糸の糸使いで織り上げることにより、

柔らかくシルキーな風合いに

国産ならではの丈夫さを取り入れました。

普段使いの難しい生地ではありますが、

国内の技術を詰め込んだENZAは

特別な1着となることは間違いありません。

 

 

■Col Salto  基本価格¥64,000(+tax)

col-salto

 

弊社オリジナルファブリックの一つ

「コル サルート」。

コルの意味は日本語で物事に凝るの「凝る」

サルートはイタリア語で

仕立て屋を意味する「Sarto」、

そして同じくイタリア語で

挨拶を意味する「Saluto」

この3つを掛け合わせて作った造語です。

物事に凝る、仕立てに凝る、

誰かに会うときのために見た目に凝る。

日常において普段よりも

こだわりをもつ人に身につけていただきたい。

そんな想いで生まれたブランドです。

 

Super140’sの原毛を用いて

細い糸を紬あげるのではなく、

その極細の原毛を用いて

あえてしっかりとした太さの糸を作り上げる。

その糸で服地を作り上げることで

ふっくらとした風合いを出し、

ある程度お仕事でもご利用いただける

生地感に仕上げております。

日常でお召しいただける贅沢を

ご堪能ください。

 

 

■葛利毛織(DOMINX)

dominx2

 

フランス語で「制覇」を意味する

DOMINATIONと、

英語で生地という意味のTEXTILEを

掛け合わせた意味の

「DOMINX(ドミンクス)」。

国内の生地市場を

自分たちで作り上げた上質な生地で

制覇しようという創業者の想いで作られた

葛利毛織のオリジナルブランドです。

 

Super100’sウールを中心に

カシミア、モヘア、シルクなど

多様な質感の素材を掛け合わせたスーツ地、

ジャケット地を作り上げております。

 

服地を織り上げるだけではなく、

独自のデザインも評価され

その人気は海外の著名なデザイナーからも

毎年オファーがあるほどです。

ZERBINOでご用意している葛利毛織の服地は

少量ですが、ご希望であれば

バンチブックをご用意することができますので

お気軽にお問い合わせください。

 

 

■御幸毛織

miyuki

 

1905年創業。

国内では言わずと知れた

高級服地メーカー「ミユキ」。

オーダーしたことのある方なら

今でも「ミユキ」というだけで

生地の良さが通じるほどのメーカーです。

 

定番で上質なクオリティを持つM’sARC、

盛夏用として昔から愛されるSHALICK、

ミユキの上級ラインである

細番手の糸を主に使用したNapolena

などのシリーズが有名です。

 

英国の「MINOVA(ミノバ)」も

ミユキが出資し、高級な英国服地を

展開しております。

 

 

※これらのブランド・メーカーは定期的に仕入れを行って揃えている訳ではございません。その時々でオススメの色柄をチョイスしてご提案させていただいております。

 

※価格につきましては、独自の仕入れを行っている関係で同じブランド・メーカーでもシーズン・年度によって変動することがございます。